天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「金だけですべて解決するような人間だ。一度も会いに来たことはないよ。しかし、佐知と住み始めてすぐ、使える駒は使いたいんだろうな。どこかの令嬢と結婚しろと代理を使って言ってきたよ」
なんとなくすべてが分かった気がした。そんな言われたままの結婚が嫌で、私と結婚すると伝えたのだろう。この人は遺産や、お金でどうこうする必要もないはずだ。
「そうだったんですね。少しでもお役に立てたならよかったです」
サラダのプチトマトを口に入れながら笑えば、龍一郎さんは声を上げて笑い出した。
「佐知がやっぱり大好きだ」
一度箍か外れてしまえば、この人はこんなに甘い言葉を平気で言える人だと気づくも、私の心臓はそのたびにバクバクと煩い。
「龍一郎さってやっぱりイジワルです」
そう言えば、嬉しそうに龍一郎さんは私に微笑んだ。