天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

そう、そこまでは覚えている。

今、自分の置かれている立場に唖然としつつ、私はただ声を上げなかった自分をほめていた。
隣で眠るこの顔は毎日見ている人であり、やはり綺麗すぎる顔は生きているのかと思うほどだ。
しばらく呆然と見つめてしまっていた私だったが、ゆっくりと起こさないように身体を起こすと、掛けられていたシーツが落ちて自分の姿に唖然とする。

裸なわけではないが、ショーツにいかにも男物の白シャツ一枚。

この状況をどう判断すればいいのかまったくわからない。
周りを見渡せば、私のワンルームぐらいはある寝室で、シンプルな書斎のようなスペースに、大きなキングサイズのベッドで私は眠っていたようだった。

どうしてこうなったのか、どれだけ考えてもわからない。
きょろきょろと見渡しても、自分の服すら見当たらず、成すすべなく背中を冷たい汗が流れ落ちる。
どうしよう。そう思うも、頭はパニック状態だ。
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