天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
Side 龍一郎

目の前であたふたする部下の若林をみていると、なぜか自分が少し楽しくなっているのが分かった。
入社して一年、ずっと俺の下で働いている彼女は、仕事の時とは別人のように赤くなったり、青くなったりしている。

新入社員だったが、仕事の覚えも早く、叩けば響く人材ではあったと思う。
それがあの日、高校時代からの親友であり、俺の勤める東和グループの関連会社の、東和インターナショナルの専務である東和祥吾と話を終え、帰りに一人で少しだけ飲んでいこうと、馴染みのバーに入った。

そこで少し離れたカウンター席に座る若林を見つけた。
一見して酔っているその様子に、周りの男がチラチラと視線を送っていた。多分若林本人は気づいていないのだろうが、かなり男受けするタイプだ。女性らしい体形に、男慣れしていそうな外見。

そんな彼女がうなだれるようにテーブルに頬杖をつけば、近くにいた男の集団が声を掛けようとしているのがわかった。
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