天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「これは……」
「悪い、勝手に人に頼んで用意させた」
新品の高級ブラインドのワンピースに、下着まで入っていて、少し恥ずかしくなるも怒る気にもなれなくて私は微笑んだ。
「初めから言ってくれれば自分の物を用意したのに」
「サプライズはいや? 佐知が喜ぶ顔が見たかったんだけど」
いつもは口数が多くないのに自分の本音をごまかす様に、たまにこうして私を翻弄する言葉を龍一郎さんは楽しそうに口にする。
ジッと綺麗な瞳に見つめられ、ドキドキとしてしまい私はそれを悟られないように口を開く。
「私が大浴場行ってくるので、龍一郎さん、せっかくですしお部屋の露天風呂入ったらどうですか?」
こんな素敵な宿を取ってもらったのだ。龍一郎さんが入るべきだと思う。
「俺はいいよ。佐知が」
その言葉に自分が入っている姿を想像する。もしもまだ入っている時に龍一郎さんが部屋に帰ってきてしまったら……。そんなの無理だ。