天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「たくさんお風呂あるみたいですし、私も一緒に行きたいです」
ドキドキしながら館内案内を見ながら伝えれば、龍一郎さんも頷いた。
私は急いで浴衣などを準備して、彼と一緒に部屋を出る。
隣を歩く龍一郎さんは、いつも着ていると言ってもおかしくないほど、浴衣姿が様になっていて私は
直視できない。周りのカップルや夫婦の女性ですら龍一郎さんに視線を向ける。
こうして一緒にいるようになって彼を見ていると、どうしてあんなに仕事のときは感情がないのかと思ってしまうほど、色々な顔を見せてくれるようになった。
そのことが余計に私を落ち着かなくさせていた。自分の中に少しずつ芽生える感情が怖くなる。
周りからの視線など、まったく気にしていないようで、龍一郎さんは趣のある廊下の外に見える日本庭園を眺めていた。
私はそんな思いを込めてジッと龍一郎さんを見つめていたのだろう。不意に視線はそのままで、彼が口を開く。