天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
そう思って言えば、龍一郎さんは何も言わず立ち上がったあと、動きを止めた。
「ダメだ。佐知のその浴衣姿を他の男に見せたくない」
「え?」
意味が解らなくて私が問いかけると、龍一郎さんはクルリと私の方を見たあと私の上へと覆いかぶさった。
その初めてみる熱の孕んだ瞳に私は息が止まるかと思った。
「その浴衣がどれだけ魅力的か知っているのか?」
見下ろされたまま静かに言われ、私はゴクリと唾液を飲み込む。初めて素直に龍一郎さんに言われたその言葉に私は何も言えない。
「さっき他の男が佐知に触れようとしたのを見て、俺がどんな気持ちかわかっているのか?」
この人はこの言葉をどういうつもりで言っているのだろう?
甘い告白のように聞こえるその言葉だが、私は何も言えずただ真っすぐに二人で見つめ合う。
でも、私はこのセリフが嬉しくて、龍一郎さんが見せてくれるすべてが愛しく感じる。