天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
少し眠ってしまったのだろうか? ハッとして目を開けて時計を見れば数十分だとわかり安堵する。
体調も問題なさそうで、私は起き上がり隣の部屋へと向かった。
そこには前菜だろうか、テーブルには美味しそうな料理が並べられているが龍一郎さんの姿はない。
どこかにいってしまったのだろうか? 不安になってキョロキョロとすれば外から水音が聞こえた。
外の露天風呂の近くまで近づき、耳を凝らせばやはりそこから音がする。
「龍一郎さん、お風呂ですか?」
中に向けて声を掛ければ、少ししてザバっとお湯から上がる音がした。
慌ててそこから離れれば、まだ髪が濡れ浴衣の前がはだけた龍一郎さんが現れた。
その姿は色気がありすぎて、私はまたクラクラしそうになる。
「佐知、もう大丈夫なのか?」
「はい」
肯定するも龍一郎さんを直視できず、私は小さく息を吐くと不意に額に何かが触れる。
視線を龍一郎さに向ければ、それが彼の手だとわかりまた顔に熱が集まるのがわかった。