天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「熱くないか?」
その問いに私はブンブンと首を振って否定をする。先ほどのキスといい、今の龍一郎さんと言い、その醸し出す空気にどうしていいかわらからない。
普段、『可愛らしい』そんなことを思っていた自分が間違っていたことを、嫌でも感じざるを得ない。
龍一郎さんは大人で、女の扱いに慣れている人だ。少し心の中がざわつきそうになり、私は思考を停止すると、目の前の料理に視線を向けた。
「もう大丈夫です。それよりお食事お待たせしましたよね? ごめんなさい」
無理やり明るく声を出し、テーブルに視線を向けると、龍一郎さんも微笑みながらそれを見る。
「食べられそうか?」
「もちろんです」
鮮やかな色とりどりの料理は芸術的で、どれも目を奪われる。