地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「いや、無理だから……」
あたしはすでに疲弊しながら歩いた。
教室に着くと「やっぱり俺美来と一緒がいいー」と明人くんがあたしの腕を抱きしめるように掴む。
「そりゃあ俺だって美来と一緒がいいけどよー」
勇人くんも明人くんを宥めつつ反対側の腕に抱き着いている。
「あの、流石に離れて。……遊ぶなら奏にして頂戴」
困り果てたあたしは奏に二人を押し付けようとそう言った。
奏は双子と同じクラスなんだし、尊い犠牲になってくれるだろう。
でも二人はそれで納得してはくれなかった。
「かなちゃんじゃ代わりになんねぇよ。美来の方がやわらけぇしいい匂いするし」
と、明人くんが顔を近付けてくる。
「そうそう。顔は似ててもやっぱりかなちゃんは男だからここら辺とかかてぇんだよな」
と、二の腕を揉んでくる勇人くん。
いや、マジでやめて。
どうすればこの二人は離れてくれるんだろうと困っていると、聞きなれない声が掛けられた。
「お前達、それくらいにしたらどうだ?」
「ああ?」
三人そろって声の方を見ると、黒目黒髪の眼鏡をかけた男子がいた。
顔立ちは整っているのに、無表情で愛想の欠片もないからだろうか。カッコいいとは思えなかった。
あたしはすでに疲弊しながら歩いた。
教室に着くと「やっぱり俺美来と一緒がいいー」と明人くんがあたしの腕を抱きしめるように掴む。
「そりゃあ俺だって美来と一緒がいいけどよー」
勇人くんも明人くんを宥めつつ反対側の腕に抱き着いている。
「あの、流石に離れて。……遊ぶなら奏にして頂戴」
困り果てたあたしは奏に二人を押し付けようとそう言った。
奏は双子と同じクラスなんだし、尊い犠牲になってくれるだろう。
でも二人はそれで納得してはくれなかった。
「かなちゃんじゃ代わりになんねぇよ。美来の方がやわらけぇしいい匂いするし」
と、明人くんが顔を近付けてくる。
「そうそう。顔は似ててもやっぱりかなちゃんは男だからここら辺とかかてぇんだよな」
と、二の腕を揉んでくる勇人くん。
いや、マジでやめて。
どうすればこの二人は離れてくれるんだろうと困っていると、聞きなれない声が掛けられた。
「お前達、それくらいにしたらどうだ?」
「ああ?」
三人そろって声の方を見ると、黒目黒髪の眼鏡をかけた男子がいた。
顔立ちは整っているのに、無表情で愛想の欠片もないからだろうか。カッコいいとは思えなかった。