地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「星宮さん、だったか? 彼女も困ってるだろう」
淡々とした言い方はあたしを心配してるってわけじゃなさそうだ。
どっちかって言うと義務的な感じ?
いやまあ、何にしたって二人が離れてくれるなら良いんだけど。
「んだよ高志。お前には関係ねーだろ?」
あっちへ行けとばかりにシッシと手を振る明人くん。
「まあ正直俺もどうでも良いんだが……」
と前置きをしてから彼は真面目に言う。
「千隼様に頼まれたからな、様子を見ていてくれと」
千隼……って誰だっけ?
あたしが密かに疑問に思っていると、勇人くんが嘲笑うように鼻で笑った。
「はっ! 生徒会長のご命令のままにってか? ホント忠犬だよな、お前って」
あ、千隼って生徒会長のことか。
そう言えばこの高志って人さっき生徒会長が座っていたテーブルにいたかも。
さっと見ただけなので確かではないけれど、見た気がする。
「何とでも言え。……どちらにしろそろそろ昼休みも終わる。離してやった方が良いんじゃないか?」
「……ま、それもそうだな」
「仕方ねぇか」
高志くんの言葉に、明人くんと勇人くんは少し不満そうだったけれどあたしから離れてくれた。