地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
教室にはまだしのぶは戻ってきていなくて、あたしは一人針のむしろ状態。
でも昼休みの時間が終わりに近かったこともあって、それほど待たずにしのぶは教室に入ってきた。
「しのぶ……大丈夫?」
青白かった顔色がまだ戻っていない。
下手をすると悪化しているかも。
「大丈夫だよ。ちょっと気疲れしちゃっただけだし」
そう言って笑うしのぶは弱々しくて……これはダメだと思った。
「ダメ、午後は保健室で休んだ方が良いよ」
「しのぶ? 体調悪いの?」
あたしの強めの言葉に、丁度近くにいたしのぶの友達が反応した。
「って! マジで顔色悪いじゃん! ほら、保健室行こう!」
「いや、大丈夫だって」
反論する声も弱々しいのにしのぶは教室に残ろうとする。
でも他の友達も集まって、しのぶは半強制的に保健室に行くことになった。
「しのぶ、ちゃんと休んでね?」
「分かってるって」
困り笑顔を残して、しのぶは友達に連れられて保健室へ向かう。
「……」
そうしてしのぶがいなくなった後、残っていた方のしのぶの友達が何か言いたそうにあたしを見ていた。
確か……渡辺さんって呼ばれてたっけ。