地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「……じゃあ奏、いったん三人と別れようか?」

 話しの流れを見てしのぶが奏の腕を引いた。
 しのぶなりにいつもと違う雰囲気を感じ取って気を使ってくれたのかも知れない。

「そうだな。まずは何に乗る?」

 奏も諦めて、しのぶと一緒に離れて行こうとする。

 でも――。


「そりゃあやっぱり最初はジェットコースターでしょう!」

 喜々として言ったしのぶに、奏の表情がピキリと固まる。


 ……あー……まあ、そうなるよね。

 奏はその固まった表情をこちらに向けて、気まずそうに双子に頼みごとをした。


「……悪いけど、一緒にしのぶと乗ってくれないか? ほら、ジェットコースターって大体偶数の座席だろ?」

 回りくどい言い方をしているけれど、つまるところ奏はジェットコースターに乗りたくないってことだ。


「かなちゃん……」
「あー……うん、いいぜ?」

 なんとも言えない明人くんの声が聞こえて、仕方なさそうな勇人くんの声が了解の言葉を口にした。

***

「……奏に苦手なものがあったんだ」
 四人でジェットコースターの列に並びながら、しのぶがポツリと驚きの言葉を口にする。

「それな! あのかなちゃんが絶叫系苦手だとは思わなかったぜ」
 まるで弱みを握ったとでもいうかのように笑いながら声を上げたのは明人くんだ。
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