地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「……何でここで食べるの?」
当然の様に一緒に来た明人くんと勇人くんは、これまた当然の様にあたし達と同じ長テーブルの席に座っていた。
しかもやっぱりあたしの両隣を陣取る。
「いーじゃん。クラスが別で一緒にいられねぇんだから今くらい一緒でも」
「そうそ、昼休みくらい俺らと遊ぼうぜ?」
勇人くんがニコニコ笑顔で言い、明人くんがニッと笑う。
可愛い顔立ちの二人にねだるように言われてうっと言葉に詰まった。
でも騙されないよ。
気に入られてるのはそれはそうなんだろうけど、遊ぶ道具としての好きでしょ? それって。
二人の目に宿るのはあくまで面白そうといったもので、純粋な“好き”という感情は見えないから。
そんな状態の二人でも、周りから見たらあたしが無邪気に慕われているという構図に見えてしまうようだった。
さっきからずっと視線が痛いし。
これ、絶対に女子からの反感買ってるよ。
うあーん、あたしの安らぎのひと時がぁ……。
何て思っていたけれど、それも今日のランチであるかつ丼を口に入れるまでだった。
「うーん、美味しい」
お肉が柔らかくて幸せ。
寮の食事も美味しいし、ここの食堂も美味しい。
この学校に転校してきて一番良かったと思える部分だ。
そうして幸せに浸っていたけれど、すぐに邪魔が入る。