地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~

 食堂の一件は瞬く間に広がったのか、午後はもう針のむしろって感じで視線が突き刺さりまくっていた。


 ちなみに久保くんは昼休みで早退したらしく、食堂から戻ってきたときにはもう席にはいなかった。

 しのぶの話では、これが久保くんの普通らしい。


 そんなこんなで授業を終え、帰りのSHRも終える。


 そして早速放課後に事は起こった。



「今日こそは買い出しに行くんだっけ?」

 帰り際しのぶに確認される。

「うん。だからいったん第二学生寮に戻ってから夜第一の食堂行くね」

「分かった、じゃあ来るとき連絡頂戴。また一緒に食べよう?」

「うん。じゃああたしちょっとトイレ行ってから帰るから、また後でね」

 そうしてしのぶと別れ、トイレで用を済ませている時だった。


 あたしが個室に入ったと同時に、複数の足音がトイレに入ってくる音がする。

 そしてあたしの入っている個室の前で止まり、ビビビッという音、そしてドアに何かしているような音が聞こえた。


「調子乗りすぎだよアンタ。ちょっとは反省することね」

 という声が聞こえると、キャハハと笑いながら彼女達は出て行った。


「……」

 あー何かされたな……。


 水を流してとりあえず普通に出ようとドアを開けようとする。


「……動かない」

 うーん。

 ビビビッて音はたぶんガムテープか何かだよね?

 それで外から何かしたなら力ずくで開けれなくはないかな?


 そう思ってグッと力を入れてみるけれどそう簡単にはいかなかった。


 仕方ないなぁ。

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