望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

「世間知らずだと思ってバカにしないで」
静かに言った絢美に、後ろにいた柚葉さんも目を丸くしている。

「絢美……、それに柚……」
まさか、柚葉さんまでいるとは思わなかったようで、大林は呆然としていた。

「いくら政略結婚でも、不貞は許されません。後は弁護士を通してください」
静かに言った後、絢美は静かに柚葉さんを振り返った。

大林が名前を呼んだことで、絢美がどう思ったのかわからないが、反対側の頬が空いていると柚葉さんに勧めている。

「絢美、柚葉さんは何も知らない」
その言葉に絢美はハッとした表情を浮かべた。

「この最低な男の妻です。あなたも被害者ですよね」

大林を見据えながら冷笑を浮かべる絢美とは対照的に、俺はどうしてこの場に柚葉さんがいるのか、今何を思っているのか、そればかりが気になっていた。




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