望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

「私はもう大丈夫です」
あなたが平手打ちをしてくれたし、もう過去のことだ。
そのセリフを飲み込みながら、うなだれる優弥さんに視線を向けた。

いつもの自信に満ちた表情はなく、何かすべてが終わったような彼。

「離婚については弁護士からの連絡を待ってください。仕事の件は父にも報告してあるので、処分があるでしょう」
静かに言った望月君の言葉に、優弥さんは何も言わず店を出て行った。
その後姿を私はなんともいえない気持ちで見送る。

何がどうなっているのかわからないが、優弥さんは罰せられるのだろう。

「絢美、迎えはいるな?」
すがすがしい表情をした彼女に、望月君は少し落ち着かない様子で問いかけた。

「あら、お兄様。珍しい。何やら慌ててらっしゃるの?」
クスっと笑いながら、絢美さんは私の方を向いた。
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