望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

「春樹の妹の絢美です」
「あっ、櫻町柚葉です」
綺麗な微笑みはやはり望月君に似ていて、とても儚く見えるが真の強そうな瞳が印象的な人だった。
そして彼女が妹ということは、望月君はやはり初めからきっと私と優弥さんのことを知っていたのだろう。

「私たちの件でご迷惑をおかけしました」


「絢美、柚葉さんは何も知らないんだ。柚葉さん、お願い話を聞いて」
いつもの余裕も可愛らしさもなく一生懸命に私に頭を下げる望月君。

「あら、やっぱりそう言うことよね」
絢美さんは納得するように頷くと、私に視線を向けた。

「柚葉さん、今まで飄々と適当に生きてきた兄が、こんなに狼狽するところなど見たことがありません。私の為だったんです。兄の話を聞いていただけますか?」

色々思う事はあるが、ずっと私を大切にしてくれた彼は信じられるし、さっきも私の為に怒ってくれていた。
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