望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「望月先生こっちどうぞ!」
外科の研修医の子だったが、この空気を壊すように望月先生を呼ぶ。
「ありがとう」
にこやかな笑みを浮かべたその人に、もはや帰りたくて仕方なかった私だったが、あの話をされても困ると、隅の席へと行こうと足を踏み出した。
「柚葉さん、どこいくの?」
後ろから聞こえた声に、やっぱりと内心大きなため息を付く。
そっと、後ろから手を取られ、耳元で望月先生が囁く。
「いいんですか? 言っちゃうかも。お酒弱いんで」
その様子に、チラリとさっきの花柄の女の子の視線が刺さる。
まったく面倒なことを……。
イライラしつつも、しかたなく望月先生の隣に座り、もう飲むしかないとそんなに強くはないお酒を流し込む。