望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~



翌週の月曜日、なんとなく憂鬱なまま私は仕事へと向かっていた。
電車を降りてすぐ目の前に見える大きな病院にため息が漏れる。もしかしたらすでに彼が誰かに話してしまっているかもしれない。
別に今更婚活がバレたところでどうってことがないが、しかしやっぱりいい気分もしない。

「ねえ、櫻町!」
小児科に足を踏み入れたばかりところで、恭子に呼ばれる。
「どうしたの?」
少し探りつつ尋ねた私に恭子は悲し気な表情を浮かべた。

「結衣君、昨日搬送されたみたい」
自分のことだと思っていた私だったが、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。
結衣君というのは、6歳の男の子で、私が病棟勤務の時から入院をしていた小児がんの男の子だ。
3歳の時に発症して、放射線治療や手術などずっとずっと頑張ってきた子だ。
半年ほど前に退院したはずだったのに……。
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