望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
しかし、現場を離れてしまったとはいえ、顔を見るぐらいならいいだろう。そう思い私がうなづくと望月先生も箸を手にした。
目の前にはトンカツ定食。意外にがっつりとした食事になぜか目の前の望月先生と似合わないきがして交互に見てしまった。
「僕が食事するのおかしいです?」
その不躾な視線に気づいたようで、彼は少しムッとしたような表情を見せる。
「ああ、ごめんなさい。意外にたくさん食べるんだなって」
クスクス笑っていえば、それ以上何も言わず望月先生はご飯を少し乱暴に口に放り込んだ。
穏やかな空気に、私も少し伸びたうどんを食べようとしたところで、甘ったるい声が聞こえた。
「望月先生!」
すぐに顔を上げれば、先日の飲み会で彼を狙っていた看護師の女の子だった。
頭の中にあの花がらが思い浮かぶ。
これは面倒なことになるかも。そう思いつつ私は視線下に落とすも、やはり想像通りの言葉がかけられた。