望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
飲みすぎると涙腺も気持ちも緩むのかもしれない。
「だって、千堂さんといると緊張するから、だからつい飲みなれないワインを飲みすぎて……」
それだけを言うと、ポロポロと涙が溢れる。
「柚葉さん……」
そこでかなり焦った彼の瞳があり、私は慌てて涙を拭う。
「本当に、ごめん。何してるんだか」
自暴自棄な気持ちをなんとか抑え込んで、大きく息を吐く。
「はい」
手渡されたミネラルウォーターを、一口飲むと体中に染み渡るような気がした。
「ありがとう。それにしてもどうしてここに?」
当たり前だが、あのタイミングでどうしてここにいたのかわからず、私は問いかける。
そのことには答える気がないのか、何も言わず私をジッと見つめる望月君。