望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「それにしても、千堂さんってどんな人なんですか?」
ここまで面倒を掛けて今更な気がして、私も水を持ってソファーには座らず、望月君の前へと腰を下ろした。
「どんな人って……」
言葉を濁した私に、小さく彼はため息をつく。
「そんな緊張して悪酔いするような人気になるじゃないですか」
「違うのよ。別に彼は悪くないのよ。ただなんていうか……」
年上の人にやはり抵抗があるのだろうか? 自分でもわからない気持ちを伝えられず口ごもる。
うまく答えられない私に、望月君は小さく息をはいた。
「もう大丈夫ですね。帰りますね」
ハッとして時計を見れば、もう電車などとうにない時間だ。
「こんな時間じゃない」
すでに歩き出して小さな部屋を出て行こうとしていた望月君が、ゆっくりと足を止め振り返った。