望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「でも、望月先生、かわいいだけじゃないわよ」
つい言葉を発してしまい、私はハッとして言葉を止めた。
「どういうことよ。あのままのかわいい彼じゃないの?」
そんなことを言っていると、二人が私たちの横を通り過ぎる。
「お疲れ様です」
あのキュルンと音のしそうなかわいらしい笑顔に、つい私は怪訝な表情を浮かべたのだろう。
「櫻町さん、眉間にしわ。あと今日の夜忘れないで」
それだけを私の耳元でささやくと、彼は行ってしまった。
私の耳はきっと真っ赤だろう。どういうつもりでこういうことをしているのかわからないが、ここにそんなに人がいないのが救いだ。
まったく。
「ちょっと、櫻町、何か意味深じゃない!」
興奮した恭子の言葉も私は耳に届いていなかった。