望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
【もう少しで着きます】
その文字にドキッとしつつ、私はバッグを手に家の外へと出た。
迎えに来てくれると書いてあったが、歩いてくるのか車でくるのかわからずそわそわしていると、目の前に一台の黒いイギリス製のSUVが止まる。
それはあまり望月君とのイメージが違いすぎて、違う人だろうと思っていると、運転席から一人の男性が降りてきた。
いつものフワリトした髪はバックにセットされており、目元にはサングラス。
まったくいつもと違う様子の彼にドキッとするのを通りすぎて、呆然としてしまう。
「誰かと思った……」
素直に言葉を発すれば、彼はフッと笑うとマジマジと私に視線を向ける。
「柚葉さんも可愛いですよ」
そのセリフにブワっと顔が熱くなる。今まで何度そんなことを言われても、軽く「ハイハイ」とあしらえたのに、どうして今更こんな風に照れてしまうのか。