望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
彼の雰囲気が病院と違うからだと自分い言い聞かすと、私はコホンと咳ばらいをした。
「この間のお詫びよね。なんでもおごるわよ」
取り繕うように言えば、望月君は私を車の助手席にエスコートする。
慣れたその手つきに、私は何も言えずそのまま乗り込んだ。
そのまま静かに車が発進して、私はチラリと運転する彼に視線を向けた。
慣れた様子で運転する姿は様になっており、病院とは別人のように見えた。
「運転するんだね」
「ええ」
あっさりと肯定されこの車内の空間が落ち着かず、私は言葉を探す。
「えっと。何が食べたいの?」
「俺の好きな物でいいんですよね?」
真っすぐに視線を前に向けたままの望月君の問いに、私は小さく頷く。
どんなものが好きなのだろう。そんなことを思っていても特に返事はない。