望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「断って。全部」
甘く低い声が私の鼓膜を刺激し、ビクッと肩を揺らせば真っすぐに私を見つめるその瞳に、私の身体は動かない。
「千堂さん、あの。ごめんなさい。もう会えません……」
『え? どういうことだ! おい!』
そんな声が聞こえるスマホを、満足げに望月君は私から取り上げると、少し遠くから千堂さんの戸惑ったような声が聞こえる。
通話のまま、望月君はもう片方の手で私の後頭部を引き寄せると強引に唇を重ねる。
なんで! そう思うも激しくキスをされ、空気を求めて私が唇を開くと躊躇なく彼の舌が私のそれに絡みつく。
「んッ……」
水音ともに漏れた自分の声に、私はようやくハッとして彼の胸を押す。
慌ててスマホを見れば、彼は計画犯のようで通話は終了されていた。
「どういうつもり!」
息を切らしながら睨みつければ、彼はどちらの物かもわからない唇についた唾液をペロリと舐め上げる。
その単純な行動すら、挑発するようで妖艶な雰囲気に圧倒され、屈しそうになってしまう。
「だって、断ったら付き合えるんですよね?」
不敵に笑う彼に、私は大きく頭を振る。
「無理! ドクターは嫌!」
つい本音を漏らしてしまい、私は彼に背を向けた。