望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「どうしてですか?」
それは当たり前の問いかもしれない。その答えを探していると望月君は私の手を引いて、ソファーへと座らせる。
「じゃあ、質問変えますね。どうしていきなり病棟から移動したんですか?」
その問いにはドクンと胸が音を立てる。
ずっと一緒に仕事をしていたのだから、疑問を持っても仕方がなかった。
「体調を崩して……。夜勤とかが少し厳しかったのよ」
今までも何人もに聞かれた質問に、用意していた言葉を張り付ける。
まさか、男の人に騙されて、メンタルをやられたなど言えない。あの頃は彼がどうというより、人を信じることが怖くなった。それに……。
「あのことがあったからですか?」
初めて聞かれたそのセリフに私はドキっとしてしまう。
「なんのこと?」
意味が解らないふりをして聞けば、今度は引き下がることはなく望月君は言葉を続けた。