訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
ドラゴン(3)
アルは、王族として学んでいた時にその存在を知った闇市場
そこで呪術書を手に入れ
分厚い本を毎日毎日読み耽る

『こんなモノじゃ駄目だ!
 もっと…っ!もっともっと!アイツに相応しい死を…っ!!
 いや…、ちょっと待て…
 アイツは人を大勢殺してる
 しかも、一度死んだ位じゃ死なないと言ってた
 二度殺しても、どうせ生き返る
 …だったら殺すんじゃなく、生きながらに苦痛を味わわせれば…っ!
 そうだ!アイツは死なせない!
 人々を殺してきた分の
 いや、それ以上の苦痛を生きながらに味わえばいんだっ!!!』

そして最後のページまで捲り終えた

『どれもこれも駄目だっ!もっと!!もっとないのかっ!?』

バンッ!と本を叩くと裏表紙の一部分がベリッと破れる

『ッチ…、ボロい本め。…ん?』

破れた箇所から、文字が見える
ビリッ!と裏表紙を破けば、真ん中に赤く禁と書かれている呪術が
読み進めていくと、アルには狂気の笑みが

『! これだ!これなら!』

呪術書に、使われない様に隠してあった禁忌の呪術

『呪う対象がその場にいなくても…、念じれば強制召喚出来るのか』

発動条件は

『およそ2000万人の生贄?』
 
…確か、

『ズメイ国には、それ位の人間がいるよな?」

...フフッ…皆、いいよな?
皆の命で、アイツに地獄の苦痛を味合わせれるんだ
こんな素敵な呪術の生贄になれる、光栄だろ?
アルの表情は狂気で満ち溢れていた
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