訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
ギルドに戻ると

「! 帰ってきた!」
「クエストはどうなったんだ!?」

ここでも煩いな

「クエストは完了だ
 チビだけで魔物は倒した、疑う余地は無ぇ
 連れてった奴等が証人だ」
「「おぉ〜!!」」

周りが興奮してる中

「…、何でよ」

キルアが怒りの表情だ

「何でアンタが!こんな女にそこまで肩入れすんのよ!?」
「………、は?」

コイツは何を言ってる

「だってそうでしょ!?
 アンタは最初からこの女を庇ってばっかりじゃない!」
「庇う?」
「この女の事を言えば、必ず反論するじゃない!」
「反論っつうか、お前等がコイツを疑うから本当の事を言っただけだろ
 それに、分かってんのかお前等
 コイツに文句を言うってのは、試験官である俺に言ってんのと同じだぞ?
 俺の試験に不正があったっつうんだから、やってねぇって言うのは当たり前だろ
 あの魔法陣は俺が丹精込めて作った力作だ
 外から手助けなんかさせるかよ」
「「…」」
「SSクエストの中でも難解なのを1人で達成したんだ
 いい加減、コイツの見方を改めろ」

ロギア達はまだ納得出来ねぇらしく、舌打ちしながら出て行く
他の奴等もバラけ
俺も一息着こうとすると、クイ…と裾を引っ張られる
見れば、チビが

「…、色々と、迷惑を掛けました」
「…ッフ」

チビの頭を撫でる
ビクッとされたが、気にせず

「お前こそ、大変だったな」
「…、でも何で」
「あ?」
「何で試験でSSランクにしたんですか?
 実際、魔物を倒した時、貴方にも私の魔法は見えてなかった筈」
「どんな魔法を使おうが関係無ぇよ
 試験官である俺の前で、SSランクに該当する魔物を倒した
 それだけで称号を与えるには十分だ」
「ふ〜ん」
「ふ〜んてなぁ…、
 そもそもバジリスクの目で石化しない奴なんて普通いねぇぞ」
「そうですか」
「…、やっぱ、お前もそうだが…、3人共並の強さじゃねぇな」
「それはどうも。じゃ、疲れたので帰ります」
「おう」

チビはレンとシオンと共にギルドを出て行く
これからも色々とありそうだが、アイツ等なら何とかなるだろ

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