訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

「私は、こことは違う世界で、普通とは違う生き方をしてきた
 2人が知ってるシオリとは、考え方や周りの人に対する接し方
 貴方達との接し方がだいぶ違うと思う
 魂を繋いでると言っても…
 それでも…、こんな私でもいいの?
 一緒に、いてくれるの?」

レノは慈愛に満ちた表情で、ラルフは私に擦り寄り

〔そうですね
 こうして対峙してる間だけでも、以前とは雰囲気や喋り方が違います
 ラルフに少しだけ記憶を共有させてもらいましたが
 魔物…敵対する者にとっての態度・対応が変わりましたね〕
「…」
〔ですが、民を護る為には当然の行動です
 貴女様は、私が認めた…ただ1人の主
 それは何があろうと変わりません」
〔そうです、我が主
 ザキロ殿は生まれ変わっても魂が繋がれているから我が動いたと言っていましたが
 それだけではありません
 まだ数日も経っていませんが
 我は…、我等は、今…ここにいるシオリ様を我が主にと望んでいるのです〕
「…」

目頭が熱くなる
私は、必要とされてこの世界に来た
でも…、あくまでソレは私が、この世界にいたシオリの生まれ変わりだから
そんな考えが、ずっと頭の片隅にあって
普通とは違う生き方をしてきた私が
再会を喜んでくれるラルフや皆と、本当に一緒にいていいのか悩んでた
でも、お父様や国の人達に私自身を受け入れてもらって
今の私を、主として望んでると…、言ってくれた2人を前に
感情を抑えれない…っ

「…っ、ありがとう」

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