訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

〔…シオリ様、1つお願いがあります〕
「お願い?」

レノがラルフに目を合わせる

〔精霊、神獣は真に主と認めた者とのみ魂を繋ぎますが…〕

ラルフがレノの隣に並ぶ

〔〔我等は、それ以上の繋ぎ…魂の献上を望みます〕〕
「…魂の…献上?」
〔私達の魂をシオリ様の身に宿すのです〕
「!?」
〔この繋ぎは、我等と我が主の…全ての感覚を共有する繋ぎです
 記憶や感情、そして…痛みも〕
「!? 駄目!そんな事…っ」
〔シオリ様、私は貴女様が死に向かう時、どれ程辛かったか
 どんな思いで精霊界に戻ったか、想像出来ますか?〕
〔我も同じです 我が主が死に至った時、我も後を追う筈だった
 ですが、我が死なぬ様にと…あの箱をお作りになった
 残された者のお気持ちを想像してみて下さい〕
「…っ」
〔過去の記憶が無いのは存じています
 ですが、それでも私達はあんな思いはしたくないのです!
 今ここで再び、シオリ様とお話出来ている事が、どれだけ喜ばしい事か…っ〕
〔我が主っ!どうか我等の魂をお受け取り下さいっ!〕
「…っ…」
〔シオリ様!〕
〔我が主!〕
「………、分かった」
〔〔! 我が主ぃ!(シオリ様ぁー!)〕〕

2人が勢いよく飛び込んで、尻餅をついた

「痛てて…」
〔〔ありがとうございます!〕〕
「うん それで、どうやるの?」

2人は私の上から退くと
レノは胸に手を当て、ラルフは目を瞑って俯く
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