誘惑の延長線上、君を囲う。
まぁ、確かにご名答だわ。日下部君もそんなところがあるよね。

「そして、お二人は何故か、本当に言いたい事って隠してると思うんですよ!早く言ったら良いのに!って、常に思います」

それはまさかの……!

「もうすぐクリスマスなんだから、気持ちを伝えてラブラブしましょうよ。ね?」

私の気持ちは、もしかして周囲にバレバレだったのかな?似たもの同士の話から、こんな話に発展すると思わなかった。私は痛いところを突かれて、顔に火照りを感じる。頬が熱い。なんて答えたら良いのか、言葉に出来ない。素直に好きだとも言い出せない。

「日下部さんも佐藤さんも素直じゃないんだから!そろそろ、私は上がり時間なので引き継ぎして来ますね!」

美鈴ちゃんにバシバシと背中を叩かれて、我に返った。以前からも美鈴ちゃんには言われてるけれど、彼女には日下部君が私を好きだと見えているんだよね。

けれども、都合の良い嬉しい話だけを鵜呑みにしてはいけない。日下部君の内心なんて、誰も分かりはしないんだから。

美鈴ちゃんが帰った後、3号店での仕事を終えた私は本社に戻ろうと駅に向かった。美鈴ちゃんに言われた事をぼんやりと思い出しながら、電車に揺られる。
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