誘惑の延長線上、君を囲う。
「佐藤の意固地め。だったら、佐藤がお金なくなっちゃったから日下部君ちに今日から住ませてくれる?って自分から懇願する位に高い所にしようっと」

「え?どこに行く気?」

「日下部君の言う事何でも聞きますからお願いします~って言う位の所」

「だから、どこ?」

「………さぁ?」

日下部君がニヤニヤしている。きっと私をからかって遊んでいるだけだ。たまに見せる艶やかな甘さと子供らしさが程良く、私を捉えて行く。高校時代の硬派な日下部君、大人になった色気を持ち合わせた日下部君、私はどちらも好きなんだよなぁ。

マンションの駐車場に着き、私達は車から降りる。日下部君の部屋に行くまでにマンションの住人の男性に出会い、頭を下げられる。

「さっきの人は違う階の人。たまにエレベーターで会ったりすると会話する。同じ世代のリーマンだし、会話しやすい」

「ふうん?そうなんだ」

「あっちも彼女連れの時は話をかけない。お互いに一人の時に話す関係。佐藤も彼女だと思われたかもな?」

「そ、そうかな……」

部屋に入り、そんな話を急にし始めた日下部君。

「風呂はどうする?湯船に入る?酒飲む前に入った方が無難じゃない」

「シャワーだけでも良いよ。もう遅い時間だから……」
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