誘惑の延長線上、君を囲う。
「スッピン?肌がモチモチしてる」

「……スッピンだよ。日下部君はノーメイクの高校時代の私を知ってるから、良いかな?と思って、実は昨日からお風呂上がりはスッピンでごめんなさい」

以前は彼氏が寝てから化粧落として寝てたりしたけれど、アレって結局は朝起きた時に見られているから意味がないよね?スッピンを見られて嫌われたなら、縁がなかったと思うしかない……。

「何で謝るの?スッピンでも、これだけ綺麗なら上等だよ」

「日下部君、酔ってるでしょ?」

「缶チューハイ一本では酔いません!」

綺麗だなんて、お世辞でも嬉しい。ほんのりと赤みを帯びた頬をお酒のせいだと誤魔化す為にゴクゴクと飲む。お互いの購入した缶チューハイはどちらも強めの9%の物だから、一気に飲むと頭がクラクラするような気がする。

「佐藤、……ココ、まだ消えないな。流石に一日じゃ消えないか?」

日下部君は自分の首筋をトントンと指差し、私にアピールをした。

「バカッ!思い出させないで!」

その流れからか、日下部君は笑いながら、
「今日は俺の服は着ないの?」
と言った。

「ちゃんと自分のルームウェアを持って来たから、着ないよ」

私のルームウェアを見ては、ガッツリした様子だった。わざと可愛くもないTシャツにハーフパンツにした。自宅で着てるのはもっと別な物で、自分の視覚と心が満足する為だけの可愛いデザインのルームウェア。年甲斐もなくと言われるかもしれないが……、トップスは白地に今流行りの夢かわ色の三色ボーダーのパーカー、アンダーはお揃いの生地の半ズボンタイプ。下が短すぎて持って来られなかったのもある。足が露出し過ぎになってしまうから……。
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