誘惑の延長線上、君を囲う。
透明な液体だったので、ジンやウォッカ、又は焼酎のロックかと思っていたが水だった。
「せっかくだからホテルのバーにも行きたいし、セーブしておかないとな」
そう言いながらカラン、カランとグラスを回して氷で音を出す。日下部君よりも私の方が、お酒に強いと思う。日下部君は常に、生ビールを飲みたがるくせに三杯以上は飲まない。再会した日に飲んでいたウィスキーは本当にやけ酒だったから、選んだのだろう。
「一旦、酔い覚ましをするのならば、夜の散歩コースに行かない?明日の朝も歩いてみたいけど、夜はどんな雰囲気なのかを知りたい」
「琴葉は自然に触れるのが本当に好きだよな」
「うん、自然に囲まれてると癒されるから。川沿いに蛍が見える場所があるらしいよ」
幼い頃から、地方の祖父母宅へ行くのが楽しみだった。自然に囲まれている場所で、祖父母宅の裏側には山がそびえ立ち、周りには畑や田んぼがある。家の近くを流れる川岸には、夜になると蛍が現れた。ふわふわと舞う、小さな明かりがとても興味深く、時間の許す限りは眺めていた。夜空も澄んでいて、瞬いている星も輝いている。幼い頃の小さな自分では、吸い込まれそうな星空が怖いくらいだった。怖さを感じながら、父の手をぎゅっと握りしめて眺めていた。
広大な自然に囲まれていると癒される事を知った私は、都会に住んでいても、いつしか癒しを求めるようになっていた。
「せっかくだからホテルのバーにも行きたいし、セーブしておかないとな」
そう言いながらカラン、カランとグラスを回して氷で音を出す。日下部君よりも私の方が、お酒に強いと思う。日下部君は常に、生ビールを飲みたがるくせに三杯以上は飲まない。再会した日に飲んでいたウィスキーは本当にやけ酒だったから、選んだのだろう。
「一旦、酔い覚ましをするのならば、夜の散歩コースに行かない?明日の朝も歩いてみたいけど、夜はどんな雰囲気なのかを知りたい」
「琴葉は自然に触れるのが本当に好きだよな」
「うん、自然に囲まれてると癒されるから。川沿いに蛍が見える場所があるらしいよ」
幼い頃から、地方の祖父母宅へ行くのが楽しみだった。自然に囲まれている場所で、祖父母宅の裏側には山がそびえ立ち、周りには畑や田んぼがある。家の近くを流れる川岸には、夜になると蛍が現れた。ふわふわと舞う、小さな明かりがとても興味深く、時間の許す限りは眺めていた。夜空も澄んでいて、瞬いている星も輝いている。幼い頃の小さな自分では、吸い込まれそうな星空が怖いくらいだった。怖さを感じながら、父の手をぎゅっと握りしめて眺めていた。
広大な自然に囲まれていると癒される事を知った私は、都会に住んでいても、いつしか癒しを求めるようになっていた。