嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
翌日、昼前に儀式は行われる事になった。

花嫁衣裳を着たときが、家から出て来た。

周りから、おおーっ!と声がする。

それ程、ときは美しかった。


私達は、嫁入り道具を持つ係として、参加した。

その中には、はやてもいる。

「はやても、運が悪いな。結婚の約束をした女、二人共生贄になったんだもんな。」

「戻ってきたつきとは、破談になったんだとよ。」

ごめんね、はやて。

辛いよね、周りからそんな事言われて。


「出発!」

嫁入り行列が、森の中の湖に向かって、動き出した。

ときは、ずっと下を向いている。

もしかしたら、覚悟を決めたのかもしれない。

でも、とき。

必ず、儀式は阻止するからね。


森を抜け、ようやく湖が見えてきた。

「道具を並べるぞ!」

村人の掛け声で、生贄のお供え物が揃えられる。

「では、詔を。」
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