Your PrincessⅡ
 少年騎士団。
 クリスには聞き覚えのある言葉だった。
 引っ越す前、近所で少年騎士団に入団するという男の子を知っているからだ。

「最初から…奥様は決められていたそうで。坊ちゃまの意志を無視して少年騎士団に入団させようと、無理矢理連れ去ったんです」
 泣きながら、お手伝いの奥さんが言う。
「坊ちゃまは女の子として生きていきたいと望んでいるんです。でも、奥様はそれをどうしても許せなくて…」
「もう、会えないんですか?」
 クリスは呆然と立ち尽くした。
 少年騎士団は、男しか通えない学校で。
 よっぽどのことがない限り15歳まで出てこられないところだという。

「……」
 クリスはきゅっと唇を噛みしめると。
 両親の元へ走った。
 両親と祖父を呼び出して、大声で叫んだ。

「お願いします。少年騎士団に入団させてください」
< 96 / 228 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop