愛を知らない操り人形と、嘘つきな神様
ポジションとポージングをいちいち変えてプリを撮って、落書きブースに移動する。
落書きブースには横長の椅子と、落書きをするための機械が置いてあった。
明らかに四人で落書きをするための広さではない。
機械にも画面とタッチペンが二つしかついてないし。
「これって数あってんの?」
「あほ。ラクガキは二人でしかできないんだよ。ほら、プリって画面に写りさえすれば何人でも撮れるから、その一人一人のために機械を用意したら、いったい何台用意すれば良いのか、わからなくなるだろ?」
ああ、そういうことか。
『分割数を選んでね!』
咲坂が椅子に座って画面をタッチペンで操作すると、機械からそんな声が聞こえてきた。
「分割?」
「ああ、四人用に切れるように、プリを分けんだよ」
そういうと、零次は奈緒の隣に座って、画面をタッチペンで操作した。
「海里、落書きするか?」
プリの分割数を選んでいた阿古羅が俺の顔を覗き込んで、そんなことを言ってくる。
画面を見ると、プリの分割数を選ぶ画面から、落書きをする画面に切り替わっていた。
「えっ、俺……どういう風にやればいいかわかんないんだけど」
阿古羅と、その隣にいる咲坂を交互を見ながら俺は言う。
「クッ! そんな難しく考えんなよ。名前ひらがなで書いたり、日付のスタンプつけたりとかすればいいだけだから。楽しいから、やってみろよ。ちゃんとやり方教えてやるから」
「……うん」
阿古羅の顔を見ながら、こくりと頷く。
「美和も落書きする?」
「そうね」
そう言うと、茅野は咲坂と場所を交代した。
「海里」
阿古羅が俺の手にタッチペンを置いて、後ろに一歩下がる。
「ありがとう」
俺は礼を言って、さっきまで阿古羅が座っていた椅子に腰を下ろした。
落書き用の画面には、今ラクガキをしているプリの他にペンやスタンプ、メイクなどの項目があり、その他にはラクガキができる時間や、小さな撮ったプリの一覧みたいなのが映っていた。
「画面の上の方に、撮ったプリの一覧みたいなのがあるだろ? そん中から、ラクガキされてないプリを選ぶんだよ。そんで、例えばラクガキの項目からスタンプを選択したら、日付とか一言とかの項目が出てくるから、そこからまた選択して、好きなデザインを選んでプリのスタンプをやりたいとこに置けばいい。そんだけ」