愛を知らない操り人形と、嘘つきな神様
画面を指さしながら、阿古羅がやり方を教えてくれる。
俺は阿古羅にいわれた通りラクガキがされてないプリを選択して、スタンプの日付の項目を選んだ。
「……色々あるな」
日付の項目には、丸文字やゴシック体で日付がかかれたのや、ハートの真ん中に日付が書かれているのなど、様々なものがあった。
「これとか、可愛くていいんじゃない?」
俺の後ろで画面を見ていた咲坂が、ピンク色のハートの中に白い丸文字で日付がかかれているスタンプを指さす。
「わかった」
俺はタッチペンを操作して、そのスタンプをプリの真ん中あたりに置いた。
「で、できた」
「ほら、簡単でしょ?」
小さく声を上げた俺を見て、咲坂は楽しそうに笑った。
「……うん」
「じゃ、どんどんラクガキするか? 海里」
「うっ、うん」
戸惑いながら俺が頷くと、阿古羅はとても嬉しそうに笑った。
それから三分もしないうちに俺達はラクガキを終え、分割数を選択し、阿古羅と咲坂がメアドを入力して保存するプリを選んだ。
「海里くん、ほら、出てきたよ」
咲坂が機械から出てきたプリをとって、俺に見せる。
ラクガキがちゃんと間違いなく印刷されている。……綺麗だ。
「あたし、そこで切ってくるね! 美和一緒に行こ!」
テーブルの上にハサミが置かれているところを指さして、咲坂は言った。
「はいはい」
茅野は適当に頷いて、咲坂と一緒にテーブルがあるとこまで歩いた。
「はい、これ!」
咲坂が戻ってきて、俺と阿古羅に四等分にしたプリを一枚ずつ渡す。
「ありがとう」
俺は控えめな声で礼を言った。
「さんきゅー、奈緒ちゃん」
阿古羅がウィンクをして礼を言う。
「チャラい」
咲坂の隣にいる茅野が、阿古羅を見てとても嫌そうに顔を顰める。
「ええー! 美和ちゃんひどくねぇ?」
「だって事実でしょ」
「それだいぶ心外なんだけど!?」
茅野の冷静な言葉に、声を上げて阿古羅は突っ込んだ。
何だか漫才みたいだな。
「アハッ、アハハハ!!」
二人のやり取りが面白くて、俺はつい声を上げて笑った。