わたしが最愛の薔薇になるまで
「自室に戻っているのかもしれませんわね。少しの間、行ってもよろしいかしら?」
「大丈夫ですよ。新郎はこちらでお引き留めしておきます。男の人というのは、待たせてやきもきさせた方が、新婦のドレス姿に感動しますからね」
私は、一人で控え室を出た。
ドレスを引きずらないようにスカートをつまんで歩き、双子の部屋の扉をノックするが返事がない。そっとノブを回して、なかをうかがう。
「蕾、咲?」
白い陽光に照らされた部屋に、二人の姿はなかった。
別の場所で休憩をとっているのかもしれない。
扉を閉めようとした私は、部屋が異様なほど荒れている事に気がついた。