わたしが最愛の薔薇になるまで
 求婚者が突然死した事は、複数回あった。
 どれも交通事故や、眠っている間の急逝、自宅の階段を踏み外しての転落死だったので、不幸が重なったぐらいに思っていたが。
 
「あの子たちが殺したというの……?」

 戦慄しながら赤い文字のない書類を手に取ると、それは葉室のものだった。

 裏に書かれていたのは、毒殺方法。

 ――薔薇の種子から採取した内容物を粉末にし、飲み物に混ぜて体内に入れる。
 粉末は、胃酸と反応して青酸を生み出し、対象を死に至らしめる――。

 私は、机を見た。置かれたナイフと、何かを乾かしたあとがある試験管。
 周りにあるのは、割られた薔薇の種子。

「葉室様」

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