わたしが最愛の薔薇になるまで
 今は実行しないだろうから、うかつに話して不安がらせることもない。披露宴が終わって、二人の時間が来たら、ゆっくりと説明しよう。

 でも、先ほど見たことを話したら。
 蕾と咲は、どうなってしまうのだろう。

 逮捕されてしまうだろうか。裁かされて服役するのだろうか。
 そうしたら、彼らの人生は、もう取り返しがつかないものになってしまうかもしれない。そんな境遇に、私は二人を追い込めない……。

「薔子さん、葉室さん、ご結婚おめでとうございます」

 咲の声がして顔を上げると、蕾と並んで高砂のそばに経っていた。
 それぞれ、洋酒の瓶を手にしている。

「お祝いにお酌をさせてください」
「ありがとう。君たちに認めてもらえて、本当に嬉しいよ」

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