わたしが最愛の薔薇になるまで
 自分のグラスを投げ捨てて、葉室の酒を奪い取った。
 ちゃぽんと揺れる酒からは、芳醇な酒精の香りの他に、青々とした植物の匂いが立ち上ってきた。

 確かめるまでもない。
 蕾と咲は、薔薇の種子を用いた青酸中毒によって、葉室を殺そうとしたのだ。

 驚いている二人に、私は毅然と告げた。

「蕾、咲、ごめんなさい……」

 こんな事をしでかす子に育ててしまって。
 何も話さずに、全て背負う決断をしてしまって。

 深い懺悔を胸に、私は手元の酒を一息に飲み込んだ。
 かなり強い酒だったようで、喉から胸、胃の腑までが焼けつくように熱い。

 下戸の私は、気分が悪くなってそのまま倒れた。
 来賓たちから悲鳴が上がる。

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