仮面夫婦の子作り事情~一途な御曹司は溢れる激愛を隠さない~
「希帆、それでね。今日の本題なんだけど」
「え? 何か本題があったの?」
バトルモードだった私は、驚いて風雅を見る。ここからはただのデートだと思っていたのに、要求があったとは。
風雅が両手を合わせ、頭を下げた。
「同じベッドで一緒に寝させて」
私は数瞬黙って、頷いた。
「オッケー、了解。今夜から風雅ひとりでベッド使って。私、仕事部屋でもらってる方にベッド入れるから。ほら、通販で明日着。早いわねえ」
スマホの画面に家具通販のページを出して見せると、風雅がやだやだと首を振って私のスマホを取り上げてしまう。
「そうじゃないでしょ。希帆と一緒に寝たいなって話でしょ」
「ええ、いやだよ」
「この一週間、朝食くらいしか顔見てないんだけど。希帆が足りない。せめて希帆の寝顔を見たい」
私としてはその距離にほっとしていたのだ。一緒に寝るなんて無理。
たった今、子作り禁止続行、現状維持案を呑んでくれたんじゃなかったの?
「絶対、変なことするでしょ」
「しない……とは言い切らない方がいいかな」
「はい、無理。別々に寝ましょう」
風雅は頭をテーブルにこすりつけんばかりに下げ、必死に嘆願する。
「希帆に好いてもらおうにも、努力する場が少ないよ。一緒に寝るくらいいいじゃんか~」
「昔から言ってるけど、風雅が何もしないのが私には一番好ましい状況なんだってば。朝食友達の現状がベスト」
「それじゃ、俺たちの仲、進展しないでしょうが」
ぎゃいぎゃい言い合っているうちに、さすがに次の皿が運び込まれてくる。私たちはこの論議を食事の間中繰り返すことになった。
「え? 何か本題があったの?」
バトルモードだった私は、驚いて風雅を見る。ここからはただのデートだと思っていたのに、要求があったとは。
風雅が両手を合わせ、頭を下げた。
「同じベッドで一緒に寝させて」
私は数瞬黙って、頷いた。
「オッケー、了解。今夜から風雅ひとりでベッド使って。私、仕事部屋でもらってる方にベッド入れるから。ほら、通販で明日着。早いわねえ」
スマホの画面に家具通販のページを出して見せると、風雅がやだやだと首を振って私のスマホを取り上げてしまう。
「そうじゃないでしょ。希帆と一緒に寝たいなって話でしょ」
「ええ、いやだよ」
「この一週間、朝食くらいしか顔見てないんだけど。希帆が足りない。せめて希帆の寝顔を見たい」
私としてはその距離にほっとしていたのだ。一緒に寝るなんて無理。
たった今、子作り禁止続行、現状維持案を呑んでくれたんじゃなかったの?
「絶対、変なことするでしょ」
「しない……とは言い切らない方がいいかな」
「はい、無理。別々に寝ましょう」
風雅は頭をテーブルにこすりつけんばかりに下げ、必死に嘆願する。
「希帆に好いてもらおうにも、努力する場が少ないよ。一緒に寝るくらいいいじゃんか~」
「昔から言ってるけど、風雅が何もしないのが私には一番好ましい状況なんだってば。朝食友達の現状がベスト」
「それじゃ、俺たちの仲、進展しないでしょうが」
ぎゃいぎゃい言い合っているうちに、さすがに次の皿が運び込まれてくる。私たちはこの論議を食事の間中繰り返すことになった。