クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~
似ているかもしれない。専務と私。
幼い頃に片親を無くし一人親に育てられてきたという境遇と、それゆえに何か逃れがたいものに強いられてきたという立場が…。
「でも、専務は今は立派に取締役として勤めていますよね」
「そうね。それが雅己の凄いところよ。結局は自分の立場を受け入れて逆に関心を持つようになって、今は母親を追い抜こうと躍起になっている。今ではあいつはお母様から強いられた重圧を楽しんでいるようにも見えるわ」
そう。
私と専務が似ているのは境遇と立場だけ。
むしろそれを受け入れ乗り越えることを楽しもうとすらしている専務は、今はもう私と真逆と言えた。
「私はね、こう見えてもあいつにすごく感謝しているのよ。あいつは『もう私の居場所はどこにもないんだ』って落ち込んでいた私を拾ってくれて、能力を認めてくれた。今は毎日が充実していて、自分の能力を生かして仕事できることが本当に楽しいの。フランスにダーリンを残してきてしまうくらい、楽しいのよ。だから、恩返しじゃないけれど、頑張っているあいつをサポートしたいのよね」
と言って笑顔を見せた亮子さんだけれども、「でも…」続けた。
幼い頃に片親を無くし一人親に育てられてきたという境遇と、それゆえに何か逃れがたいものに強いられてきたという立場が…。
「でも、専務は今は立派に取締役として勤めていますよね」
「そうね。それが雅己の凄いところよ。結局は自分の立場を受け入れて逆に関心を持つようになって、今は母親を追い抜こうと躍起になっている。今ではあいつはお母様から強いられた重圧を楽しんでいるようにも見えるわ」
そう。
私と専務が似ているのは境遇と立場だけ。
むしろそれを受け入れ乗り越えることを楽しもうとすらしている専務は、今はもう私と真逆と言えた。
「私はね、こう見えてもあいつにすごく感謝しているのよ。あいつは『もう私の居場所はどこにもないんだ』って落ち込んでいた私を拾ってくれて、能力を認めてくれた。今は毎日が充実していて、自分の能力を生かして仕事できることが本当に楽しいの。フランスにダーリンを残してきてしまうくらい、楽しいのよ。だから、恩返しじゃないけれど、頑張っているあいつをサポートしたいのよね」
と言って笑顔を見せた亮子さんだけれども、「でも…」続けた。