追憶ソルシエール



「終わったー!!!」


チャイムの音が教室内に響き渡るとともに、歓喜に満ちたクラスメイトの声もまたあちこちから聞こえる。



3日間にわたるテストを終え、教室内はハッピームードだ。






「どう? 手応えは」


両手を組み天井に向かって大きく伸びをしていれば、隣から聞こえた問いかけに顔を向ける。ふーっと脱力し、両腕を重力に任せる。




「んー、まあまあかな」

「そんなこと言うけど岩田いつもいい点数じゃん」

「伊吹くんは?」

「俺もまあまあかな」

「それわたしの真似でしょ」

「はは、バレた。古典が破滅的」



かくいう伊吹くんこそ、いつもそういう危ういことを言うくせに平均点はばっちり超えてくるのだから不思議だ。こういう言葉には信用してはいけないって中学生のときに学んだのだ。




「世莉〜!」


ここにもいた。古典が苦手な人。

荷物をまとめた那乃が駆け寄ってくる。このクラスが理系だからか、はたまたわたしの周りだけなのか、古典が苦手な人が多い。



「どうだった? 補習免れそう?」

「なんとか! 平均が低ければ無事クリスマス死守できそう」



学校によりけりだけど、ここの学校は平均点の半分以下が赤点として見なされる。つまり、平均点が高ければ、その分赤点ゾーンも広くなるというわけだ。
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