追憶ソルシエール

那乃から入れてもらった喝のおかげで少しは強くなった気がする。小さく気合を入れて、わたしも教室を後にした。





いつもの帰り道とは反対方向に進む電車。学校の最寄り駅から先にはなかなか来ることがないから、慣れなくてソワソワする。



そのまま電車に揺られること10分ほど。二駅先で降りて改札を出た。




見慣れない土地に、スマホの地図アプリを頼りにする。住宅街に入って、公園を通り過ぎ、並木道を歩いていくと。




「……あった」



駅から数分歩いた先に見える学校。

たしか、ここだよね。スマホを確認すれば、目的地は周辺とのお知らせが記されていて、ひとまず無事着けたことにホッとする。特別、方向音痴というわけではないけれど、見慣れない土地をひとりで歩くのは少し不安があった。



学校名を確認して、校門前で待つことにした。


今日、わたしの学校は先生たちの会議がある都合で、いつもより30分ほど短縮された時間割だった。だからきっと、ちょうど下校時刻のあたりだと思うんだけど……。



そう思い校舎のほうを一目すれば、授業が終わったころなのか、チラホラと帰宅する人の姿が見えてきて。



学校から出てくる人達が身に纏っているのは、昨日彼が着ていた制服と一緒。
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