追憶ソルシエール
「え、紗凪の知り合い?」
「あー、うん。中学のときのクラスメイト」
ね、と同意を求めるように移された視線に戸惑う。それでもぎこちなく、こくり、と首を縦に振った。
「もしかして待ってたのって紗凪のこと?」
「……え、あ、はい」
「見つかってよかったねー」
「はい、」
操り人形かのごとく、はい、という二文字を繰り返すわたしに、救世主は口元に笑みを浮かべた。
「じゃー、おれはこれで」
「おー」
「あの、ありがとうございました」
去り際、お礼を言えば「なんもしてないよー」と救世主はへらりと言った。それから「じゃーねー」ひらりと手を振り帰る後ろ姿に、お辞儀をする。
兎にも角にも、あの救世主のおかげでスムーズに事が進んだ気がする。
背中を見送りながら、見つけられてよかったと胸を撫で下ろしていれば、必然的にふたりきりなったことを自覚する。ちら、と彼の顔色を窺おうと顔を上げれば、視線が交わり、わかりやすいほどに心臓の鼓動が跳ねた。