あの夏の久遠堂

夏の終わりに本屋へ出かけた帰り道、少年とすれ違う。そのまま通り過ぎ去る風のようなものだと思っていた、しかし。



「楽しかったよ。いつかまた、久遠堂でな」



聞き覚えのある、どこかなつかしい声。思わず目頭が熱くなる。



「……はい。必ずいつかまた」



振り返るとそこに少年はいなかったが、あの夏椿の香りだけがその場に残っていた。



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