砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
「Thanks so much. But no more.」
〈どうもありがとう。でも、もういいわ〉
お酒が呑めないこの地では、このアラビックコーヒーを飲みながら「宴会」しているのだ。
——シラフで三日三晩も歌って踊りまくれるなんて、ある意味ものすごいことだと思うんだけれども……
砂漠に来て、最初に通された応接間でアラビックコーヒーを供されたのだが、一口飲んだとたん「なんじゃこりゃっ⁉︎」と吐き出しそうになった。
いや、立ち上る匂いからしてイヤ〜な予感はあったのだが……
会社に、あたしが日本からお土産として持ってきたモ◯カフェが、みんなからあんなに喜ばれた意味がよく理解った。
アラビックコーヒーは、紅茶でいうところの「チャイ」である。
つまり、スパイスを入れて煮出す淹れ方だ。
スパイスはカルダモンが主流らしいが、これが(あくまでも当社比であるが)……
——ハッキリ言って、コーヒー豆の味とまーったく合わないっ!
ちなみに、あたしはチャイは好きだ。紅茶の飲み方の中でも一番好きと言っても過言ではない。
水を一滴も使わずオール牛乳の中に、茶葉と数々のスパイスを混ぜ込んだ「ガラムマサラ」を入れて煮出す濃ゆ〜いチャイを、自分で淹れて楽しむくらい大好物だ。
なのに……
——そう言えば、ラジュリーとのディナーでは、食後のコーヒーは「普通」だったなぁ……
不意に「夫」のことを思い出した。
「……私の真珠、コーヒー嫌いか?」